開業してどうですか? 先輩2 -雑貨の学校の先輩のお店を訪問-猫雑貨専門店
皆さんこんにちは。雑貨の学校を主宰している講師の富本雅人です。
雑貨の学校(R)(長期セミナー)には「ショップでのディスプレイ体験」という、カリキュラムがあります。
随時ブログなどでも、その様子をお知らせしているので、ご存知の方も多いと思います。これは人気の雑貨屋さんの店頭の一角と商品をお借りして、存分にディスプレイ(陳列、VP)を体験してもらうというもの。
ディスプレイの授業で学んだ知識やスキルを活かしたり、自身のセンスやテクニックを試したり、と受講生の方々が 、実際の店舗でディスプレイを楽しく体験してもらっています。
協力してもらうショップのほとんどが、雑貨の学校の修了生の店舗。
もちろん、どの修了生のお店もコンセプトが明確なこだわりの商品を扱う人気ショップばかりですが、講座自体を東京の下北沢で開催している関係で、「ディスプレイ体験」を行うのは渋谷区や港区の東京23区内のショップが中心です。
機会があれば、地方の修了生の雑貨屋さん(素晴らしいお店ばかりなんですよ!)でも、いつか実施したいと思っています。
余談ですが、修了生の雑貨屋さんで、こういった研修を行える事は、講座の主宰者であるわたしにとっては大変幸せなこと。それは、修了生のお店が成功(継続)してなければ、実現できないカリキュラムだから。13年間、指導に努力してきた(!?)甲斐があった、と思っています。 ( 修了生経営以外のお店の場合もあります)
さて、「ディスプレイ体験」のあとに毎回時間を設けているのが、オーナーであるOB、OGに現在受講中の生徒さん(後輩)が、直接質問をする「先輩教えて」のコーナー。ディスプレイ体験に劣らぬ人気です。前回は、ベテランの人気店オーナーに聞きました。今回は、東京北千住に昨年9月オープンした猫雑貨専門店のオーナーに後輩である受講中の方々が質問しました。
協力店舗:猫雑貨専門店「ねこだん」 オーナー堀正悟さん
北千住を選んだ理由と商品の強み
講師(富本):はい、質問のある人手を上げてください(一同遠慮がち)。
オーナーに時間をとってもらって、直接いろいろと聞けるのは、滅多にない機会ですよ。「企業秘密」でも、後輩だから答えてくれる事も多いはずですよ(笑)。
生徒: じゃあ、私からいいでしょうか。お店を出すのに「北千住」を選んだ理由というのは、何ですか?
オーナー(堀): 新宿や池袋などの都内の大規模なターミナル駅に比較すると、大きな割にイメージとして“手あか”のついていないターミナル駅だからです。大宮駅(埼玉県)くらいの乗降客数はあるにもかかわらず、雑貨屋さんがあまりない。もちろん、猫の雑貨をたくさん販売しているお店もさらにないんです。
実は東京で「ねこの街」と言えば谷中が有名であることから、そちらに出店を検討した事もあります。でも、谷中にはすでに猫の雑貨で有名な素晴らしいお店がありますし、そこと商品でバッティングする事が確実だったので、遠慮したんです。
バッティングというのは、商品が”かぶる”という事でして、狭いエリアで同じ商品がたくさんあっても仕方ないですし…。商品のブランド、メーカー(取引先)によっては、一定の地域内で取引する店舗数を限定しているところもあるんです。
講師:ここで販売している「■■■■」(注:猫キャラクターの有名なブランド)さんは、地域で店舗を限定して卸しているようですよね。
堀:そうなんです。北千住、足立区内ではうちだけだと思います。僕も好きな商品で、うちの大きな強みになっていると思っています。
生徒:この店舗物件を選んだ理由はなんですか?
堀:まず見た目ですね。第一印象が「ネコが好きそうな」おもしろい造りだったのと、高級感もありましたし。店頭では猫は飼えないんですけどね。
大家さんにお店の企画を説明したら、いろいろと条件面も配慮してくれまして。ここに決めて良かったと思っています。実は物件探しは一年くらいかかりました。見に行った物件は色々ありましたけどね。妥協したらダメですよね。
堀:1階は細かな雑貨商品、2階は大きめのバッグや布商品。吹き抜けや階段の踊り場にも商品をディスプレイしています。一見、バラバラに置いているように見えるかもしれませんが、デザインや素材、機能(使う場面)で考えて構成しています。全て猫雑貨なので商品に必ずネコがついています。それを見つける楽しみがあると思います。
生徒:2階のテーマは?
堀:2階はバッグや袋物商品を中心に置くようにしてます。バック類なんかは女性はすごく時間を掛けて見たい方が多いでしょう。誰もいないので、みなさん20~30分ゆっくり見てらっしゃいます。ずっと、鏡にバッグを持ってる姿をうつして、試してらっしゃいますね。
講師:それだけ居心地がいいってことでしょう。
堀:だと嬉しいですね。滞在時間がすごく長いのはよいことだと思っています。
こちらも猫雑貨のお店(雑貨の学校OBOG)
フクロウがテーマのお店(雑貨の学校OBOG)
http://雑貨開業.com/hoonyanboo.html
ひとりで営業/商品バリエーションへのこだわり
生徒:インターネット、ホームページとかでのプロモーションはこれからどう考えているんですか?
堀:すみません。ネットに関してはこれからです。開店時にオリジナルのドメインをとって、アクセス(地図、営業時間)のページを作成してアップしているだけなんです。
講師:まずは、オープン時に最低限必要な住所と電話番号と地図のページがアップされていて良かったと思いますよ。新店開店時はそれを見ながら来てる人がいっぱいいると思うので。これからどうネット上で展開していくかですね。
堀:そうですね。実店舗の宣伝活動からやります。近日中にきっちりとしたページを公開します。気が向いたら覗いてみてください。
生徒:通常ひとりで営業されているんですか?
堀:そうです。ひとりでやってます。売上が伸びていったら、お手伝いしてくれる人を探したいと思っています。
生徒:商品の種類はどのくらいありますか?
堀:色、柄のバリエーションも含めて考えると1,500種類くらい。オープン時の1,200種類から増えています。1,000種類揃えているお店は他にもあると思いますが、1,500種類を超えているところは少ないと思います。先日も山形から来られたお客さんが、種類の多さに驚いてました。でも、無駄な在庫をあまり持ちたくないので、アイテムの種類数に関しては今後更に慎重に調整して行きたいと思います。
生徒:繰り返し来店されるお客様は多いですか? どんな理由でいらしてますか?
堀:これだけ種類があると、1回で全部見きれないから再び来られるんです。ちょこちょこ商品も変わったりしますので、週一回来店する方もいますし、もっと、ひんばんに来られるリピーターの方もいます。
ギフト需要とラッピング対応
生徒:プレゼントで買われるお客様は多いですか?
堀:開店前にギフト関係はそんなに需要がないと思ってたんですが、多いですね。全体の4割くらい。“猫の雑貨が好きな方”が、どなたかに贈るものと思っていたら、お客さんが“猫が好きな方に贈る”ことが多くて、発見でした。 ご本人と飼っている猫ちゃんの誕生日で年2回のチャンスだと思っています。
生徒:ラッピングはどんなスタイルで?
堀:袋にリボンシールという簡易的なラッピングでやってます。お客様には喜んでいただいていると思います。
講師:ラッピングの出来上がりの展示はしてないようですが、包装の見本を出しておくと、お客様の「そうそう! ○○さんにプレゼントを買わなければ…」という意識付けになって、買上促進になります。できあがりの「イメージが違う」というようなトラブルも避けられるので、ぜひやっておいてください。包装の見本展示は今はほとんどの雑貨店でもやっています。
生徒:私、同じ商品だったら、どんなラッピングなのかで買う買わないを決めてしまいます。
講師:授業でも言いましたが、ギフト(プレゼント)目的のお買上の割合がない(少ない)お店は「雑貨屋さん」「雑貨ショップ」ではないと思います。雑貨店は人にプレゼントしたい、プレゼントしてもらいたい雑貨を扱うべきですよね。自分用に買う人だって「自分へのプレゼント」だと思っていますよ。だから、ここ(ねこだん)は、雑貨屋さんとしての大きな可能性を秘めていると思います。
生徒:最後に聞きますが、どんなお客様が多いですか?
堀:もちろん、猫好きの女性です。あと男性のお客様が多いことも驚きでした。中年の男性が、マグカップとハンカチをお買上されてプレゼント用かと思ったら、「自分で使います」と。男である自分のことを棚に上げて何ですが(笑)。男女、年齢問わず、猫好きはたくさんいらっしゃるんだな。いい人が多いんだな(笑)。と日々感じています。
お店データ「猫雑貨専門店 ねこだん」
江戸時代に日光街道の宿場町として栄えた街である北千住。駅周辺のモダンなビル街を過ぎると一転レトロな雰囲気に。商店街を散歩気分でぶらぶらと進むと、猫雑貨専門店「ねこだん」があります。元々はテーラー(注文紳士服店)だったという店舗は、2階のあるメゾネットスタイルの優雅な造り。
2011年の9月にオープンしてそろそろ1年を迎えようとしています。店舗は1階10坪(33m2)+2階3坪(9.9m2)と、個人雑貨店としては余裕のある広さ。店内には大きな吹き抜けがあるため、ところ狭しと陳列されたたくさんの商品もすっきりと見えます。
オーナーは堀正悟さん(41歳)。他分野の小売店チェーン本部勤務を経て独立。2009年春に雑貨の学校(R)で学んだ修了生です。以前から大好きだった猫をモチーフにした雑貨の専門店を開きたいと、あたためていた計画を実行しました。猫雑貨に囲まれて、日々猫好きのお客様との触れ合いがある今の仕事は、天職と感じているそう。まだまだ、オーナーとして努力、工夫するところは多々あるでしょうが、更に素晴らしいお店になることを願っています。 富本雅人
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