インスタスポット? フーニャンブー? 開業
日本を代表する観光地、奈良の参道「三条通り」に2017年1月開業した、雑貨店 「HooNyanBoo」(フーニャンブー/ふーにゃんぶー)はたくさんのお客様に愛される店だ。
交差点で信号待ちする人の視線を奪う、店頭のリアルなピンク色のブタのペンチ!入り口のポスターには、「フクロウ店長がいます」(下部に動画あり)の一瞬目を疑うシュールなコピーが。
目ざとい子供や外国人観光客の「あっブタさん!」「SO cute!」と驚く声。店の前で足を止め連れと会話しだす人、ウィンドウをじっと覗き込む人。ベンチでSNS用の撮影をする人など、人の足並みが同店の前でちょっとゆるむ。
フーニャンブー(HooNyanBoo)とは、フクロウ、ネコ、ブタの鳴き声を合わせた造語。3つの動物のグッズを中心に扱うお店。
奈良公園の鹿にちなんだ店舗や商品が、街中にたくさんある中(本物の鹿も店頭に出没)、鹿グッズでなくフクロウ、ネコ、ブタのグッズが中心なのは不思議。
オーナーである福井さんが意図していたかどうかはわからないが、そんな「なぜ?」「えっ?」と感じた結果、大変印象に残るプロモーションになっている。
雑貨屋さん開業後、どんなお客様? 何が売れる?
ユニークなお店にはユニークなお客様が来る、が定説ですが?
本当ですね。全身、猫の柄ファッションの愛らしい年配のご婦人がいらしたり、フクロウグッズを探しにはるばる東北から来たという若い男性が来たりと、動物好きのパワーはやっぱりすごいです。ぼくも開業前のお客様の立場の時は探しましたのでよく気持ちはわかるつもりです。
意外だったのが、ブタのグッズが好きな花嫁さんが、結婚式のウェルカムボードの飾り用にまとめて買ってくれたんですね。
また別のカップルが結婚式二次会のプレゼントにフクロウ雑貨をまとめて買ってくれたりと、思ってなかったお買い上げがあったことです。おめでたいイメージのある動物モチーフであること、嫌いな人が少ない動物であることが理由だと思います。
人気のある雑貨商品は?
開業以来マグカップ、手ぬぐいが売れ筋アイテムです。いずれもいくつあっても邪魔にならないですし、お土産やプレゼントとしてやはり手頃なのがいいと思います。
柄に関してはふくろうグッズ、ねこグッズですね。
ぶたは“濃い”ファンがいる動物なので、お好きな方が「見つけた!」と言いながらまとめ買いしてくださいますね。
最初は一番好きなフクロウのグッズの専門店として開業しようかと思ってたんです。でもちょっとマニアックというか、まだ一般的ではないなと思って。
妻が実家で猫を3匹飼っていたほどの猫好きなんです。意識している集めているわけではないのですが、いつの間にか家中ブタグッズが溢れていたということもあります。
こちらは猫のお店(雑貨の学校OBOG)
今後力を入れて仕入れていきたい商品
樹脂でできたリアルな動物オブジェがおススメです。リアルすぎて気持ち悪がる人もいるのですが、ペットを飼いたくても飼えない方、昔飼っていたペットを思い出すという方もいらっしゃいます。
動物がいる風景って自然と和むと思うんです。たとえ本物でなくても動物を感じさせる空間は癒しやリラックスの効果があるような気がします。
それとさっき言ったように、おめでたい場面でのプレゼントのお客様が増えてきたので、今後は引き出物など、フォーマルなギフトにも使っていただけるような品揃えを考えていきたいと思っています、
脱サラ後の開業。180度の転身で不安は?ご家族の意向は?
開業に対する反対がなかった、といったら嘘になりますが、不安以上に、フクロウをはじめとする動物が子供の頃から大好きなんです。動物のグッズを売る店の開業は、以前からの大きな夢だったんです。
幸い妻も理解してくれ、夫婦で二人三脚で経営しています。妻も動物や人が好きで、接客上手なんです。
僕の言葉が足りないところをバッチリとフォローしてくれてまして、自慢じゃないですが、いいコンビだと思っています。
もちろん自営開業なのでこれからどうなるかわからないのですが、もっとがんばらないとと思っています。今のところ、雑貨屋さんを開業した事に対して後悔はしていません。開業して良かったと思っています。
◾️そろそろ雑貨屋さんを開業して三年目。迎えるにあたってこれまでよかったことは?
お客様に素敵な人が多いことですね。なぜか笑顔で来店される方が多いんです。もちろん動物好きの方が入店されるので、自然と笑顔になるんだと思うんです。
ありがたいなと思うのは、観光地の場合は普通リピーターはあまり多くないはずですが、リピーターのお客様が目立つこと。
常連のお客様が少なからずいらっしゃいます。例えば誰かにプレゼントするときはうちの店、と決めてくれているというお客様。奈良の寺社へのお参りの度に来店くださるお客様。外国のお客様で来日の度に来てくれる人もいるんですよ。
2、3割は再来店のお客様です。業界の平均はわかりませんが、観光地のお店としては珍しいと思っています。ありがたいですね。
日本人と外国人のお客様の比率は5対5。うち日本人の観光のお客様と地元のお客様の割合は7対3くらいかと。
新しいお客様にもどんどん来ていただきたいですし、リピーターのお客様もさらに大切にしたいと思っています。
いつまで続けたいですか?また将来の展望は?
できる限り長く続けていきたいと思っています。あと少なくとも20年。今42ですから還暦すぎまでですね。
近い将来では、お店をしっかりやりつつ、外部のイベントや催事への参加もしていきたいですね。独自のルートの珍しい商品も多いのでイベントの主催者さん、お客様にも喜んでもらえると自負しています。
オリジナルグッズも現在企画中でして、自店で販売して試しつつ、先々ではメーカー的にいろんな店舗さんに卸していけるようというのも夢ですね。
雑貨屋さん開業にあたって勉強した、雑貨の学校で学んだことは
まず自分の開業したい店の構想をきちっと事業の企画として整理できたこと。ふわっとしたイメージを資金や仕入れ先まで具体的にすることができました。
内装や仕入れ、業界のことなど専門的なことも、もちろんたくさん教えてもらいました。とてもリアルなところが良かったです。
開業後のお客様対応やご近所づきあいのこと、防犯の工夫など……講義で先生に言われたことが本当にあるんですね。今は先生というより占い師や預言者のように感じています(笑)。
講師から
福井さんは、雑貨屋さんを開業する前の受講生時代なんと奈良から10回以上東京まで! 通ってくれました(2016年通学コース)。その際も同時WEB受講のコースがあったにも関わらずです。本気度抜群の期待の“大型”生徒でした。スポンジが水を吸い取るように、知識やノウハウを習得してくれました。
開業後の今でも時々相談がありますが、自分の利益というより「もっといいお店にしたい」「お客さまに喜んでもらいたい」という、真っ当で真面目な質問ばかり。そんな姿勢が初めてのお客様(外国の方にも)にも伝わるのでしょう。国際的にも人気のお店になりつつあります。
名称: 「HooNyanBoo」(フーニャンブー)」
住所: 奈良県奈良市上三条町12−5
評判:HooNyanBoo
【ご注意】
・取材者に対し本記事に関するご質問はご遠慮ください。直接ご質問されましてもお答えできません。
・本記事に関するご質問は雑貨の学校までお願いします。
インターネットホームページ:
https://www.zakka.org/ 記事、写真の無断使用厳禁
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