「雑貨の学校」のスタートは雑貨を思いっきりジマンすること。 雑貨がもっと好きになる講師の裏技。2014年秋号 NO.12

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雑貨の学校! 興味があるんだけど、どんな風に教えてもらえるの」……、「お勉強って感じなの?」……。そんなご質問やご相談をいただく事があります。今号は、ちょっとまじめに雑貨の学校で行ってる、独特なカリキュラムに関してお話します。門外不出(!?)のメソッドなんですよ(笑)。

雑貨ビジネスの為のオリジナルメソッド

雑貨コンサルタントである私が、99年より開講している、雑貨店開業、業界への就転職のための講座、「雑貨の学校(R)」のカリキュラムは独特と言われれます。

それは“雑貨ビジネス“という比較的カテゴライズされにくい分野のスキルアップ、知識習得、企画力養成がテーマだということが理由のひとつ。
雑貨屋さんディスプレイそして、先達の実績ある指導内容や関連書籍を踏襲して作成、指導することが可能(?)なインテリア、ファッション等の既存の分野に比較して、(15年前では雑貨店開業経営、雑貨のビジネスは)新しいカテゴリーの為、独自のカリキュラム、授業内容を、新たに創り出さざるを得なかったことも大きな理由です。(うちの教本などから影響を受けてご指導されている先生もいるようですが……)

私なりに創意工夫し、当初より自信を持って作成、実行しているカリキュラムですが、講座スタートより15年が経ち、修了生の中から、雑貨店や雑貨メーカーなどの企業経営者、企画やバイイングの専門職で活躍する人々も多く現れだした事は、カリキュラムや授業運営に間違いがなかったことの証だと自負しています。

「教室での模擬ショップ営業」「店舗スーパーリサーチ」「商品徹底研究」「実店舗内研修」など、発案した多くの“独特”の授業がありますが、今回はカリキュラム「雑貨自慢」を紹介したいと思います。

雑貨をアピール

 1回目の授業は、各受講者が持参した“お気に入りの雑貨”のアピールからはじまります。

複数回、長期間に実施する講座やセミナーなら、冒頭に講師や受講者の自己紹介を行うことは当たり前でしょう。

雑貨の学校(R)」では、自己紹介に加えて、受講者の持参した雑貨を自ら紹介(説明)してもらいます。

雑貨自慢

売ってみたいバッグ

オリジナルののメソッドで、15年前より、私が中長期的な指導を行う講座では、初回授業の導入時に必ず実施しています。名付けて「雑貨自慢」(笑)。

開業講座などと、重々しいテーマなのに、のんきな授業と思う人も多いでしょう。しかし、雑貨店開業計画づくり、雑貨業界への就転職の為の講座の導入として、最適なものと自負しており、受講者から大変好評です。

ほとんどの受講者は雑貨に強い思い入れを持っているから、自分の気に入っている=人に披露(自慢)したい=売ってみたい雑貨のひとつやふたつは必ず所有しています。

それを初回授業の際に持参してもらい、「こんな雑貨商品を雑貨店オーナー、スタッフとして将来お客様に売っていきたい」、「こんな雑貨商品でビジネスをしたい」と、その良さをアピールしてもらうのです。行う理由としては、主に次のような狙いからです。

雑貨でコミュニケーション

まず、雑貨を通して受講者間のコミュニケーションが大変スムーズになること。 自身がアピールした各雑貨に対して、他の受講者からの質問や感想が寄せられ、雑貨をきっかけに、初対面ではあるが、なごやかな会話が弾みます。

持参した雑貨でその人の嗜好や考え方、しゃべる内容で人柄までもが感じ取れる場合もあり、雑貨は最強のコミュニケーションツールににります。

たとえ、自己紹介があまりうまくできない人であっても、思い入れのある雑貨に関しては、たくさんの“しゃべりたい=聞いて欲しい”情報を持っているはずなのです。

雑貨の解釈はいろいろ

売りたい雑貨次に、一口に“雑貨”と言っても、色々なアイテムやテイスト、スタイルのものがあることを理解させることも狙いです。

年齢(20-50歳代)、職業(アマチュア主婦、OLから異業種経営者、ベテラン業界人まで)も様々な受講者だから、もちろん、持参する雑貨も千差万別。中には「アンティークのタイル」「デザイナーズの椅子」「お香」「こけ玉」等の個性的な解釈の雑貨を持参する人もいて、現在の雑貨店の品揃えの広さを反映しています。年齢、性別、ライフスタイル、趣味志向により、好きな「雑貨」が違うことを“実感”してもらうこと。講座のスタートより15年間経った今でも、受講者が持参した雑貨が重複したことは一度もありません。

受講者本人の興味のある分野や系統の雑貨だけではなく、他人の持参する雑貨を見て、その視野を広げさせつつ、自身にとっての「雑貨」と他者にとっての「雑貨」の違いを目の当たりにすることが目的です。

それは、この講座のまとめとして、雑貨店の開業計画を立案する際に、イメージターゲット(想定顧客像)、ロケーション(開業立地環境)、マーチャンダイジング(商品計画)、ショップデザイン(店舗内外装)、セールスプロモーション(販売促進計画)など、ありとあらゆる計画時の有用なヒントとなるのです。

雑貨ビジネスはプレゼンテーションが仕事

雑貨店を開業、運営するということ、雑貨ビジネスにたずさわるということは、雑貨商品をプレゼンテーション(提案)し、共感して(買って)もらう仕事と言い換えられます。

この「雑貨自慢」により、アピール手法、プレゼンテーションの大切さを感じさせるのも狙いです。

多くの受講者は、商品のプレゼンテーションが初体験。当然、そのレベル、方法はバラエティに富んでいます。 売りたい雑貨

雑貨自体を単純に見せるだけでなく、魅力的な表情、適切な口調、動作で説明する、的を射た情報を語る、効果的な使い方やコーディネートのアイディアを披露することなど、説明の方法や内容、レベルによって、その雑貨の「良さ」の伝わり方が違ってくることが実感できるのです。

食べ物に対して「おいしい」「旨い」以外のボキャブラリーを駆使して、多彩で的確な表現ができるグルメレポーターの人気があるのはご存じだと思います。

同様にその雑貨のデザインやスタイルに関して「かわいい」「お洒落」「イケてる」などの“つきなみ”、“あいまい”な表現は避け、他の具体的かつ的確な言葉で説明することを心がけてもらいます。

「雑貨を魅力的にプレゼンテーションすることは重要」という体験は、将来の自身のショップでのセールストークにも、もちろん活きるでしょうし、ひいては広報、広告や店内での販売促進の各業務(陳列、POPづくり、清掃にいたるまで)の重要な指針となります。

得票は売上(利益)なり

最後にその雑貨への人気投票を行います。良いと思う、買いたいと思う他の受講生の雑貨に対して、選んだ理由を明らかにしながら1票を投じ、各得票数を競ってもらいます。講座風景

「値段が手頃」「ちょうど欲しかった」「デザインが良い」などの雑貨自体の魅力による投票も多いのですが、加えて「説明がわかりやすい」「笑顔に好感」「見せ方が素晴らしい」といったアピールの方法が投票の理由という場合も多いのです。

読者の皆様もご承知の通り、実際のビジネスの現場では、人気投票以上にシビアな売上という、評価がついて回るもの。投票(共感、支持)してもらうということの喜びや醍醐味(と得票がなかった、残念さ)を経験することは、今後の本格的なビジネスに向けてのウォーミングアップ。雑貨“ファン(消費者)”から“プロ(売り手、作り手)”への意識の変化のきっかけになるのです。

受講者には、「得票は、その雑貨商品の売上、売れ行きと考えてください」「私たちの仕事は、その雑貨に票が入らなければ(が売れなければ)なりません」「票を入れ続けてもらうことがビジネスの継続の為に絶対必要なのです」と、まとめに説明しています。

どんな分野の業務も効果的なプレゼンテーション、アピールは大切な要素です。雑貨店の業務に関しても、利益の源泉である、雑貨商品の魅力を最大限にお客様に伝え、共感して(お買い上げ)いただくことが、重要な使命であるのです。

主宰富本雅人(雑貨の学校講師/雑貨コンサルタント)2014.08.22up

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データ「雑貨の学校(R)」

名称 :「雑貨の学校(R)」
住所: 東京都世田谷区北沢4-26-6
最寄り駅:小田急線、井の頭線「下北沢駅」
電話:03-3469-3161
HPURL: https://www.zakka.org/school/
blog:http://b.zakkaschool.com/
twitter:https://twitter.com/zakkaschool
FACEBOOK:https://www.facebook.com/zakkaschool

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